私の「ちゃんとした」料理観の崩壊

一人暮らしを始めて、一年とちょっと経ちました。

友達も多い方ではないし、職場も年の離れた人しかいないので、外食の機会もそう多くありません。ということで積極的に自炊していて、料理の腕もまあ少しは上達してきたかなと思います。
実家暮らしの時は、料理なんてお弁当用にちょこっと作るぐらいで、きちんとした料理をしたことはありませんでした。
自炊始めたては本当にひどいもので、自分でもなんでこんなに美味しく無いものが出来上がるのか分からないという事態が多々ありました。油ぎとぎとだったり、味が濃すぎたり薄すぎたり、まあ今でもたまにありますが。

そんな料理初心者にも分かりやすく料理を教えてくれる、NHKの料理番組 きょうの料理 を毎回録画して見ています。あれはいいですね。結構見てて面白いし。…違います、NHKの回し者ではありません。
料理本もいいですけれど、やっぱり動画で実際に見るのが一番いい。なんでも目で見て覚えろ とよく言いますし。
あと、噂には聞いていたレミさんのぶっ飛び具合には、つい吹き出してしまいます。レミさんと後藤アナのコンビは、大変和む。和む料理番組です。

そうそのきょうの料理で、先日60周年記念の1時間生放送スペシャルがあったようで、毎回録画機能で勝手に録画されていました。後藤アナに谷原さんに、レミさんに土井先生という、こ、これが俺得というやつか!と思うキャスティングでした。

その終盤で、あの関西系の訛りのやさしい語り口で料理を教えてくれることでお馴染みの、料理家の土井先生が、「一汁一菜」を提唱していました。
普段の食事はご飯と具沢山のお味噌汁、これだけでいいんだ と。贅沢と質素のバランスが大事なんだと。
まあ詳しく本など読んだわけでは無く、その番組でちょこっと聞きかじっただけですが、そんなことを言っていました。
それを聞いて思い当たることがあり、確かにそれはいい!と、もう目から鱗のようでした。
私の場合、お味噌汁に白米に、主菜と副菜一品づつの一汁二菜がいつものスタイルです。しかし出来立てのアツアツを、冷めないうちに食べなきゃという思いから、どうしても焦って食べてしまうことが多い。よく無いとわかっていながらも、早食いしてしまうのです。常々、「冷めないうちに、なんて考えちゃうからあんまり味わえないなあ…」と考えていたところにこの土井先生のお話。
ご飯とお味噌汁、それと少しのお漬物があるそれだけで、品数が少ないから冷めないうちにあれもこれもと急がなくても、ゆっくり味わって食事をすることができる。すぐ簡単に作れるとか、節約できるとかそいうことも魅力だけどやっぱり、料理を味わって食べれるというのがいい。
早速明日から試してみようと思います。

男性の料理家で、実力も知名度もある土井先生が、こういうことを言ってくれるというのが本当にありがたいなあと感じました。丁寧で、料理を愛する姿勢が見てわかる土井先生ですから、レミさんが同じ事を言うのとはまた印象が全然違うだろうなと思います。決してレミさんが料理を愛してないと言う訳じゃありませんよ。
やっぱり、一汁一菜なんていうと、世間一般の常識的には、手抜きだと思ってしまうところが大きいでしょう。私も、手抜きはしないようにという道徳的観念から、主菜副菜と大体毎回作っていました。でも、作り込んだ料理だからとか、品数が多いから良いということでは無いですね。

ちょっと私のこの想いを書き表すには、文章力が追いついてないのでこの辺にしておきますが、とにかく、私は食事を楽しみたいのです。普段は一汁一菜で、時間に余裕があるときなんかに他の料理を作ればいいのかもしれない。そう思わせてくれました。
土井先生が先日出版した料理本、「一汁一菜でよいという提案」を一度読んでみたいと思います。