慣れとは恐ろしいと思う話

人の適応能力はすごいなあと実感しました。

少し前に、職場のコピー用紙が変わりました。
総務の手違いで、以前よりも質の悪い紙を注文してしまったらしい。
当たり前ですがコピー用紙も値段によって良し悪しがあるようで、それが少しめくったりするとすぐ分かるような質の悪さなのです。ザラザラしていて色味もあまり良くない気がする。なんだこの安っぽい紙は!こんな紙でお客さんに書類を渡せるか!と内心憤慨したほどです。

ですがまあ先述のように人とは慣れしまうもので、私もその適応能力を遺憾なく発揮し、しばらくすると「安っぽい紙」という感覚は完全に消え失せていました。

今日はついに質の悪いコピー用紙の在庫が切れ、元のコピー用紙に戻りました。
今朝、書類を印刷して元のコピー用紙と再会した時、私は人知れず戦慄しました。
な…!なんだこのツルツルは!! この溢れ出る高級感は!?と。
あの悪質なザラザラした紙が、私にとってのコピー用紙の質の、基準になってしまっていたのです。なんということでしょう。

どんなに悪いものでも、いずれ慣れて気付かなくなってしまうのかと思うと、自分は今、何に慣れてしまっているのだろうと考えさせられます。

予想外にアツくなってしまいましたが、言いたいことはそんなくだらない紙の話ではありません。いや、紙の話もくだらなくなんかないですが、慣れてしまったことが他にもあるのです。

昔から私は、人との対立が苦手で、他人に言われたことは大体素直に聞いていました。友達と喧嘩したこともなければ、反抗期も無かったような気がします。人から好かれたいから、反論したい時でも自分の意見は自分の内に押し込めていました。

じきに押し込めることに慣れてしまったからか、反論が出来なくなってしまったのです。この間も、反論したかったのに、反論したいという自分の気持ちにすぐに気付かなかった事がありました。

 

高校の同級生に、Sという、自己主張が激しく怒りっぽいヤツがいまして。と言うとなんだか怖いようですが、私はSの、トゲトゲしく攻撃的な性格が嫌いではありません。攻撃的なのは苦手ですが、それ以上に面白いヤツなのです。


引っ越そうと思う、とSから先日電話がありました。今の一人暮らしの家から引っ越したい。六万円で駅から近くてお風呂トイレ別で、新築がいい。などと言っているので、それはわがまますぎでしょ!なんてへらへら笑いながら話をしていました。

その流れでSが「やっぱ妥協しなきゃだめか〜!おまえは家も男も妥協してるから上手くいってるんだよな〜」と言うので、「妥協〜?妥協ねえ…そういうもんかねえ」と少し納得いかない感を出しました。

しかしすぐに「そうだよ!ブスがブス同士妥協してすぐ結婚するから、ブスばっかり出来んだよ。いっそ昔の一夫多妻に戻して、イケメンを量産すればいい!」なんて言い出すので、もういっそ笑ってしまいました。

その後もぐだぐだと話をしましたが、電話を切ってから「あれ!さっきの反論したかったな〜!」と気付きました。
その為に再度掛け直すのもなんなので、この場で言いたい。
私は妥協してるわけじゃない。Sとは求めるものが全く違うだけで、家はユニットバスでもとにかく家賃の安さに重点を置いたし、彼氏に関しては私がベタ惚れで付き合ってもらってるんだ!私には勿体無いぐらいだ!

と、今思えばそう強く反論したかったけど、
そんなこと私が分かってればそれでいい気もする…
でも、お互いの為に言いたいことは言った方がいいとも思います。

特にSの場合は、相手に反論の隙を与えてくれないので、とりあえず瞬発力を身に付けたいと思います。

段々何を言いたいのか分からなくなってきましたが、とにかくそういう話をしたかったのです。

明日は孤独にドライブの予定。
前から行きたかった温泉に行ってきます。
それでは。